情熱アンソロジー ―何度も見る灼熱の夢
心拍数が上がる音がある。
そう。声ではない。
音だ。
そんな身体の芯から興奮のあまり血が沸き立ち心拍数が上がる音こそ吉野さんの2018年のツアータイトルにもなっている「情熱アンソロジー」である。
ライブでは集まったサポーター達が手拍子をさして我ら自慢のキャプテンを待つ瞬間に流れた。ただでさえ今から始まる激アツな時間を前に心臓がバクバクと肋骨が痛くなるほど鳴っているのに、そこにこの歌のイントロが来るからもう大変。
実際ライブツアーを2019年3月に終え、その直後のキラフェスで聞いた時もライブハウスでの感覚が蘇ってきた。
それくらい深く深く記憶に刻み込まれている音こそ「情熱アンソロジー」の凄さだと思う。
この凄さは吉野さんが楽曲に仕掛けたギミックの効果も大いにある。私が「情熱アンソロジー」を初めて聞いたのはMV撮影のときだった。イントロが流れた瞬間に聞き覚えある音に瞬時に記憶の引き出しを探しまくった。
そう。これは吉野さんの最初のツアーCharge!のOP曲と全く同じ音だ。
そりゃ血が沸き立つわけだ。
だってこんなにも自分の中に刻み込まれている音なのだから。
ご自身もその後の雑誌やMCでも気に入っていたCharge!のあのメロディをもとに楽曲制作を依頼したと話していた。
吉野さんはよく、終わるから始まりがあると話している。情熱アンソロジーはそれを深く感じる曲だ。終わるから始まる。だからこそ何度も何度も一緒に楽しい夢を見ることが出来る。
なんとなくそう言っているように思う。
あと1週間とちょっと。
熱いステージでまた吉野さんと灼熱の夢を見ることが出来る。