私はまだ、彼の声を知らない ―渋谷すばる ライブツアー二歳直前の今思うこと
私はまだ、彼―渋谷すばる―の声を知らない。
私がエイターになったときはすでに6人の関ジャニ∞が始動していた。ちょうど《Crystal》が出た頃だった。ハマるやいなや、新米エイターの私は関ジャニ∞の曲を追いかけながら、渋谷すばるという圧倒的な歌手の残り香をクンクン嗅いでいた。そして先輩エイターのみんなが最高で最強だったと口を揃える「あの頃の彼ら」に思いを馳せていた。
私が彼の声に特に惚れ込んだのは初めて購入したライブDVD《Jukebox》で披露した【宙に行ったライオン】だった。
遠くへ
遠くへ
何度も繰り返されるのこのワードはただの歌詞ではなかった。言葉に乗った想いは火傷してしまいそうなくらい熱かった。
そんな彼の声に再び惹かれたのが2019年末に開催されたレディオクレイジーというフェスでのサプライズ出演だった。実は主催のラジオ局が粋なことをして下さり、後日ライブパートだけ放送してくれたのだった。
すばるくんが歌ったのはイエモンの《バラ色の日々》
聞いた瞬間涙が出た。
このときの私の涙は往年のすばる担の待ち焦がれていたソレとは違うのだと思う。
やっと会えた、とか会いたかった、という想いではなく、ただただ声に圧倒されたのだった。
渋谷すばるの声は果てしない。
どこまでも伸びて飛んでいき、そして触れたものにしっかりと足跡を残すのだ。
そう気づいた次の瞬間私はプレイガイドを通して二歳の幕張公演のチケットを購入していた。
今聴かないと。
今の彼を聴かないと。
私はまだ、彼の声を知らない。
彼の声を知るまであと数時間。
渋谷すばるの歌に出会えた瞬間、私はいったいどんな想いを抱くのか、とても楽しみである。