それはクローゼットから服を選ぶみたいに― 7年分のありがとうを込めて
私は朝目覚めるとラジカセをONにする。
ラジカセの周りはCDの山。
私だけがどこに何があるかわかってる。
そこから1日の始まりの1曲を選ぶのだ。
それはクローゼットから服を選ぶみたい。
今日の自分の気分はどんなんだろ?
今日の予定はなんだっけ?
あー雨降りそうやなぁ。
帰宅は遅くなるからなぁ。
そんなことを考えながら選ぶ1曲はとっておきだ。「これ!」とドンピシャな曲がかかるとその日のエンジンは最高潮。
でも毎回大成功するわけではない。「なんか違う!」と思いAメロで切り替えるときもある。
そう。
私の音楽のクローゼットには気づけばたくさんの吉野さんの曲が並んでいる。
発売が信じられないくらい嬉しくて擦り切れるほど(カセットじゃないのに)聞いたGet Setは使い込んだあとがある。
表紙がお気に入りのEmotionalはそれを持って旅に出たこともあるくらいとっておきの1枚だ。
雨の日にはベタだけどレイニーナイターが聴きたいし、ビールをあけるときはDo Itでキメたい。
吉野さんの楽曲を聞く時のワクワク感はお洋服を来て鏡の前に立つ時の感覚と同じだと思う。
気づけば私のクローゼットにはズラリとたくさんの服が並んでいる。穴が空いていたり、取れないシミが付いていたり、大切にしすぎてあまり着れていないものもあったり。
きっとこれからも少しずつ服が増えるのかなと思うとワクワクする。
たくさんの服を眺めながら私はこれまでの時間、言葉に出来ないような幸せに浸っている。
さて。
明日はどんな服を着ようか。