carpe diem

エイトと声優と音楽とお酒とアート。時々ドーナツ。

生活することを考えるホテルステイ

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小さい時からホテルが好きだった。中でもアメニティが大好き。着くやいなや、真っ先に洗面所に行き一通りアメニティを見て心躍らせていたのを覚えている。次にチェックしていたのは引き出しにある便箋たち。今でも実家に当時から集めていたホテルの便箋がしまってある大きなクッキー缶がある。これは別名、私の宝箱。

 

 

私の大切なホテルという場所が持つこういった特別感が大好きだ。

 

出張、旅行、帰省。

 

私にとってホテルは非日常の象徴だ。

 

 

ただ今回企画したホテルステイで私のホテルに対する感覚は大きく変わった。

 

 

ホテルは非日常なん?

 

本当に?

 

あれれ?

 

 

これはそんな私が体験したホテルステイのお話。

 

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今回泊まろうと決めたのは大好きなホテルアカウント、あこがれホテルさん(@akogare_hotel)で出会った都内、馬喰横山にあるDDD Hotel

 

オフィシャルサイトのコンセプトの文言が私のハートを掴んだ。

 

―Think back what you love.

―Think ahead what can be created collectively.

 

ざっと訳しながら私はこう解釈した。

※もしかしたら私にとって都合良すぎる解釈かもしれないのでそこはお許しを。

 

(本当に好きなものについて考え直そう。)

(そしてそこから創造出来るものについてこの先を見越して考えよう。)

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ホテルに泊まるきっかけは関ジャニ∞安田章大さんが主演している舞台『リボルバー』だった。ちょうど仕事の都合も付き、17日〜19日連休が取れることが分かったのでこの数日は自分のルーツであるアートにどっぷり浸ろうと決めたのだった。これこそがコンセプトの一部分、Think back what you loveにぴったりだった。

 

ちなみに私は美術史専攻。5歳の頃から目指した美術業界のため、大学までみっちり美術三昧だった。最終的な論文のテーマこそ違えどゴッホ(19世紀西洋美術)は通ってきた道。だから私はこのホテルで『リボルバー』を読み、考え、そして安田さん演じるゴッホに会おうと決めたのだった。

 

 

ホテルの内装はシンプル。オフホワイトとダークグリーンコントラストが私の好みだった。無駄はないが決してミニマリストな訳では無い。そこが私にとって心地よかった。

 

部屋の主は大きなベッドと枕が2つと固めのヘッドレストが1つ。パジャマやタオルも必要な分だけ。ただし一つ一つの品質は最高級だった。

 

室内にデスクや椅子はない。一瞬姿が見えず驚いたが、ミニ冷蔵庫はスリムなクローゼットに居心地良さそうに収まっていた。

 

小さい頃の私がみたら最低限のアメニティしかないこのホテルは持って帰るものがなく、つまらなかっただろうな、と思い1人で笑ってしまった。今はこれが心地よいんだもの。

 

必要なものはフロントにてお願いするシステムが良かった。なぜならこの時点で自分が生活する中で何を必要としているか見極めることが出来たからだ。暖かい飲み物が生活の中で大切な私は、晩ごはん調達ついでに電気ケトルだけお願いした。

 

コンパクトながらも再起動するために必要なもの、ことを揃えます。

 

そうオフィシャルサイトに書かれていたが、まさにその通りだった。

 

私が自宅から持ってきたのは着るものや身支度を整えるもの以外だとこれだけ。

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リボルバーの原作本

・ペンケース

・ジャーナルノー

・タンブラー(お気に入りのゴッホの「アイリス」)

・慎重したネイルエナメル

 

 

もちろんこの施設にテレビはない。なんならラジオもない。あるのは用意されたiPadだけ。いざ、ないとなると意図せずデジタルデトックスしていたことに後ほど気づいた。

 

あとはホテル併設のカフェでパンやお茶したり、ベッドで本を読んだり。本当に好きなもの…美術に浸った一晩だった。

 

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こちらはバクロコモンさんのフムス!中東料理大好き。

 

 

私がどう生活したいか。

私はどう「生きる」というテーマで創造していきたいか。

 

そう自然と考えるキッカケになった。

 

 

私は心地よく生きるにはミニマルはまったく合わなくて、心地よいと感じるものを適量あれば幸せなんだ、とあらためて感じた。その中でぼんやりと悩んでいた引越し、そしてこの先のことについても考えることが出来た。

 

なによりも私は美術が好きだという揺るがない気持ちも確認できた。美術が好きでそれだけで駆け抜けてきたこの10年ちょい。思い描いた形とはかなり違うけど、大きな意味でアートに関わり続けられていること、この業界で生きていることに対して自分を褒めてもいいかもなって思えた。

 

 

ホテルは非日常だったけれど、ここは少し違うかもしれない。

 

確かに非日常だけれど、でもずっと日常のことを考えていた。

 

そしてなによりもそれを無理なく、思考をめぐらせることが出来た空間だった。

 

 

 

 

 

最後に。

こんな情勢だけど自分が出来る最大限の形で業界を応援しつつ、自分の身と私の周りの安全を守りながらホテルステイを私のペースでやっていきたいな、と思う。